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2012年度2・3月号
 
『女性と基礎的幸せ、平和の実践的考察』を表現する理由
園長 木村 仁
 
 人間として生きるために考察しなければならない法則があることを直観で感じ取ったのは、15歳の時であった。考え続けてきて、現在も考え続けている。人間の深遠さを感じる。
 
 生きることで、考察し続ける必要性を感じたこととは、「自分の命はどうして与えられたのか。なぜ生きているのか。どう生きるのか。今死んだなら、人生はどうなるのか」。
 
 「教育、学ぶことの意味。これらの不透明さに悩み苦悩した」自分がいた。その後、発生し考え続けた 苦悩は、徐々に実践するようになっていった。
 
 「自分・人間とは何か。生きること死の意味」を専門に聖書学院にて学ぶことになる。
 
 「人間教育とは何か。教育の意味は、自分を見つめる心の旅、人間の心を理解し続けることが核となる」を発見。
 
 「夫婦、家庭、家族、命は、創造する」ことの意味を発見。
 
 「母親と胎児期乳幼児期の子どもを最優先する人間教育の考察と実践」を発見。
 
 「人間は、助け合い補い合って生きなければ(家族と同じように)人間としての尊厳を失う」ことを発見。
 
 「人間は、大自然の中で癒されて生きる存在。自然から五感・感性を乳幼児期に養われて育つ重要性」を発見。
 
 「夫婦・命の誕生・家族を核とした原則的法則的な人間教育・人間社会の構築の具体的実践」。
 
 「人間の幸せは、自分と自分、自分と人とが心がかよい合う心地よさである」
 
 「平和的な生活の原則は、人との心地よい心の創造にある」
 
 15歳から、考察探求して60年の歳月がたった。人間探求を球体的にあらゆる方向から観察考察してきたことを、現在の段階で整理する必要を感じている。この整理した内容が、一人でも多くの方の幸せの創造につながってくれることを願いながら・・・。
 
 「人間の幸せや平和的な生活は、原則・法則がある」すべてのものには、原則・法則がある。しかし、人間は、その原則・法則を、人生の意味すら探求することを忘れてはいまいか。私にとっては、これらの原則・法則は生涯かけて追い求めることになるだろう。
 
 
 
『女性と基礎的平和・幸せの原則、法則的考察と実践』
女性の幸せは、家族の幸せ、個々の幸せと世界平和につながっている
 
[命・人間・人生考察と実践の基礎のアウトライン]
 
Ⅰ 命の誕生の法則の考察が幸せ、平和的な生活を生み出す
(母(父〉→命の誕生→母(父〉→命の誕生)〈原則・法則である〉
 
 
・すべての人間は、母から生まれる。母親の尊厳が幸せ、平和的な生活を創造する。
 
 その母親の存在を大人達は、軽視してきた。歴史が物語っている。「女、子ども」という表現があるが、それは軽んじる意味を持っている。現代社会も同じ道を歩んでいる。家庭の中も。地域社会も。社会全体が・・。女性自身も、認識度が薄れてきていると言えまいか。これらは、原則・法則の崩壊と言える。そこに文明国の大きな課題がある。
 
 
・母の精神的安定が胎児期乳幼児期の子どもの個性・気質に大きな影響を与える。
 
 人間すべて母親のお腹の中で過ごし、生まれてくる。母親の精神的肉体的な健康状態の度合いで、子どもに大きな影響があることは、学問的医学的にも、実証されている。
 
 しかし、人間の成長の基礎的な時期が最重要視されていないのは、事実である。母親と胎児期乳幼児期の子どもが「人間教育・人生の基盤」である。具体的実践を急がなくてはならない。特に文明国といわれている国は…。
 
 
・夫婦が理解しようと努力するかしないかで、子どもに与える影響は大。
 
 男女が信頼し夫婦となる。夫婦は、信頼し合うことで『肌を触れ合い』喜びも悲しみも苦しみも共有する。その『信頼によって肌を触れ合うこと』で、命が与えられる。その命は、『信頼から生まれたことで、信頼される喜びを肌で体験』する。信頼され、尊い命という思いが、乳児の目や肌から感じ『愛されている喜び』を体得していく。その、乳児の直観は、『大いなる神と同じである』という文献もある。私も、乳児と関わり生後6ヶ月前後までの乳児の直観は、人間の想像を超えた能力を持っていると確信している。『大いなる神』と同等の存在として、心して関わらせていただいている。乳児から、神秘と不思議な人間であることを日々感じさせていただいている。
 
 その命を生み出す責任は、夫婦にある。夫婦間で理解していないことが多くあることを認識して、理解を深めようと努力していることが、乳児には、『幸せ感をもたらす』。理解し合おうとする配慮や優しさが、乳児は肌で、そして目から感じ取る能力を持っている。
 
 『乳児期の子どもは、人間の中で最も重視されなければならない存在であるのだ』。 若い夫婦の認識が薄ければ、責任ある大人たちが補わなければならないのである。
 
 
Ⅱ人間とは何か、生きる意味の探求が人間教育の原則・法則であり幸せ、平和的な生活を創造する
 
・自分の心を見つめ続けて生きることが人間理解となり、人と心地よい心の交流ができる幸せと平和的な生活が創造される。人間の教育は、心の解明の探求なくして教育とは言えないのでは・・・。
 
・人間理解を核とした人間の教育の再構築の必要がある。文明国といわれている国こそが、心の豊かさを求める人間の幸せのための教育が不可欠である。
 
・人間理解のための教育の原則は、胎児期から乳幼児期の母子関係から始まる。人間理解の基礎は、男女の出会いと信頼関係から始めることである。この男女の出会いから一人の命が始まるからだ。
 
 
Ⅲ人間の神秘と不思議の探求が、幸せと平和的な生活を創造する
 
・人間の命の誕生の神秘の探求なくして、幸せの原則を発見できない。教育もしかり。 人間の命の誕生は、男女の信頼関係から始まる。その命は、親の信頼によって信頼される喜びを体得し自分を信じられる人に成長する。自分の可能性を信じられることが「自己肯定観となる」。その親の信頼の心地よさから、同じ人間である隣人を信じる喜びを知ることとなる。これが幸せ・平和な生活の原則である。
 
・人間の神秘を知るためには、人間の命がどう創られていくのかを知ることである。人体について知ることだ。生理学的に人間の体がどうなっているのかを知ることで、驚異的な人間であることを知ることが出来る。
 
 長年、乳児と関わらせてもらってきたが、乳児は生まれてすぐに、目をジーッと長いあいだ見る。大人の誠意の度合いを見ぬく能力を持っていると私は肌で感じてきた。手足もまだ動かせない時期には、目と肌で関わってくれる人の心を見抜くようである。その能力の凄さに驚嘆している。目を見ると同時に、額の下左右の眉毛の間ちょっと上の部分を見る。インドの人が額に赤いマークをつける位置を。
 
 生まれたばかりの赤ちゃんが、どうしてそこを見るのか私にはわからない。前頭葉から何かを感じる能力を持っているのだろうかとも感じている。大人には、分からないことがまだまだいっぱいある人間である。脳生理学者に研究を託したい。
 
 ポール・トゥルニエ博士は「子どもは、大人から敬意をはらわれている度合いに応じて自分の人格を意識し、自分の人間としての尊厳を自覚して自分自身を尊重するようになります。のちに、大人になってからの道徳的態度全体に影響を与えることになります」と言った。
 
・「人間は、小宇宙のように壮大な能力を持っている」。人間の神秘と不思議を探求することで、人間の無限の可能性を生涯感じて生きることができる。私が生きてきて実感してきたことである。
 
 宇宙の法則があるように、人間が生かされている法則もある。信頼されて心地よく生きる乳児=信頼されて生きる乳児は喜びに満ちた人となる(自己肯定観が持てる)=人をあるがまま受け入れる広い心になる=自分の人生を創造できる人となる。
 
 自己肯定観が少なく育った人はどうなるのか。人との出会いで信頼される喜びを体験し、信頼できる人と出会うことで人生は大きく変化する。親に代わる愛情を注いでくれる人がいる。探さなければ、探しえない。アリス・ミラーは、つらい境遇にいる人でも、そのつらさを理解し寄り添ってくれる人が一人でもいればその人は救われると言い、そのような人を「事情をわきまえた証人」と呼んだ。
 
 ある書物には「求めよ、さらば与えられん」「求めたものは、すでに叶えられている」こう書かれている。「親は、子どもが必要と思えることは叶えるもの」「親は、必要な時期に必要なものを与える」という意味でもある。
 
 私自身、「真実な壮大な方」『人類を包み込む大いなる存在』が守って下さることを信じて人生を歩んでいる。求めることで叶えられるのだ。「背負えるだけのもの」を必要に応じて叶えてくれた。40歳で山の中に家族と一緒に集える幼稚園を創った。6年後にトモエを創った。資金もないのに。10年間の30代の牧師生活を無駄にしたくない。15歳から自分の人生を歩みたいという一心で。今後も実行したいことが山ほどある。自分がまだ知らない世界を見たい。自分自身の可能性を見てみたいと思う。
 
 「女性と基礎的幸せ・平和」を何年もかけて書き続けたい。エネルギーが続く限り・・・。
 
 
Ⅳ 大自然の神秘と不思議を感じる生活環境の創造
つづく
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